『天狗印』焼豚!

レシピをいただいたので夜中に作ってみた。ちなみに「天狗印」とは、我が敬愛する小泉先生が、ご自身の自慢料理につけた商標のようなものらしい。


この焼き豚のレシピ「悩殺系の香り」という副題が付いている。その名に恥じず、製作過程ですでにたちこめるやばそうなニオイ。子どもたちがつられて次から次へと台所に顔を出す。


製作工程はきわめて単純で、1時間ほどで完成。さっそくご飯に乗せて焼豚丼をつくってみた。うぐぐぐぐ。ニオイ以上にこの味はやばい。何がやばいって、ご飯がとまらないのだ。残りご飯だったので、どんぶり1杯で完売。しかしもっと食べたいと、ワタシの腹は言っている。そこにムスコまで登場し、「オレもその肉食べたい」

「う〜ん、これは単独で食べるには味が濃すぎてダメだと思うから、これからごはん炊こうか?」

「なら、いい」ご飯が炊きあがるまで待つのはイヤらしい。


そこでひらめいた。冷蔵庫の中に中華麺がある。それを使って久しぶりに汁なしチャーシュー麺を作ろう!というわけで、ムスコの分だけでなく自分の分も含めて麺は2人前使用。深夜に、どんぶり飯プラス麺までくらってしまい、昨日までの粗食で減った体重は元通りどころか・・・。


ちなみに、ニオイにつられてやってきたムスメ1は「おいしそうだけど、こんな時間にそんなもん食べたら自分が豚になりそうだからやめておくわ」あんたは正しい!


【作り方】

・鍋に少量の油を熱し、ニンニク3片・しょうが親指の頭ほどをそれぞれたたきつぶして入れ、2分ほど焼く。

・豚バラ肉をかたまりのまま入れ、表面全体がきつね色になるまで丁寧に焼く(ここが一番手間がかかる。ワタシは辰巳先生の教えを守って、肉を煮込むときにはじっくりと焼き付けてから煮込むようにしているが、ここでもその作法でok)。

・その上から日本酒を加える(肉500gに対して1合の割合)

・弱火で10分間煮る。

・醤油(肉500に対して90ml)を上からかける。

・弱火で20分間煮る。

・再び同量の醤油をかける。

・弱火で20分間煮る。

以上(出典は日経新聞に連載中の小泉先生のコラム)。


これを5mmくらいの厚さに切って、どんぶり飯の上にのせて喰う。ひたすら喰らう。口と胃袋以外の感覚はふっとび、悦楽の境地。


今までいろいろな作り方で焼豚あるいは、それに類するものを作ってきたが、今夜のものがご飯との相性は一番よい。その最大のポイントは煮汁に占める醤油の割合。薄味好みの私はついつい醤油の量を控えてしまいがちでできあがった肉は、そのまま食べるには美味しいのだが、ご飯のおかずにはちょっと・・・と思うことが多かった。今回のものは、単独で食べるとかなり味が濃くて、おもわず「水!」と言いたくなるのだが、これがひとたびご飯の上に乗ると(以下略)。というわけで、ますます体重がやばいことに。